子どもの心を読み解く「センサー」は、機能していますか? かたはた智子の活動報告
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2008 年 5 月 13 日    
子どもの心を読み解く「センサー」は、機能していますか?
〜「遊戯療法」から考える〜
5月11日、サイコセラピー「子どもの心の世界へのアプローチ―遊戯療法の本質をめぐって―」(山王教育研究所主催)に参加しました。
「遊戯療法」とは、言葉が未発達で、自分の気持ちをうまく表現できない子どもを対象に、「遊び」を主なコミュニケーション手段、表現手段として行われる心理療法です。
「遊び」「子ども」というと、幼児対象というイメージがありますが、思春期以降の子どもたちも含まれます。

遊戯療法にもいろいろな「流派」があるようですが、アクスライン(アメリカの心理学者)が提唱した8つの基本原理が遊戯療法の基盤として位置づけられています。
【アクスラインの8つの原則】
1. 子どもと良い関係をつくる。
2. あるがままの子どもを受容する。
3. 子どもを許容し、自由な雰囲気をつくる。
4. 子どもが表出している感情を敏感に察知し、子どもが自分の行動に対す る洞察が得られるようなやり方で子どもの気持ちを反射する。
5. 子どもが自ら解決できる能力を持っていることを信じて疑わない。選択し て、変化し始めるか否かは、子どもの責任にしておく。
6. 子どもに対して指示や命令をせず、子どもがリードをとり、それに従う。
7. 治療はゆっくり進むものである。子どものペースに合わせ焦らずに待つ。
8. 子どもには最大限の自由が与えられるが、安全や健康を守り、望ましい治 療関係の存続と子どもの成長促進に必要なだけの制限は与える。

このように、遊戯療法は、子どもの持つ潜在的な力を尊重し、遊びを通じて自らが成長することを重視する立場をとっています。
あくまで援助者(セラピスト)は、子どもが変わっていくのを見守り、助ける存在に徹します。

今回、シンポジストから様々な事例紹介がありましたが、どのケースにおいても、攻撃的で暴力的であったり、同じ言動を繰り返したりなど、不可解であったり不愉快であったり、好ましくないと思えるような子どもたちの言動を、
自分の思い込みで評価したり解釈したり切り捨てるのではなく、
その言動に伴う「子どもの思い」をなんとか汲み取ろうと模索しながら、関係をつくっていこうという姿勢が感じ取れました。
その過程の中で、子どもたちは少しずつ変化を見せ、成長へとつながり、治療が終結していきます。

司会者からは、「セラピストのセンサーが、遊戯療法には特に大切」というまとめがありましたが、子どもが様々な形で表現していることを読み解くセンサーが求められるのは、何も遊戯療法に関わる専門家だけではありません。

たとえば、甘えたい気持ちを、言葉ではなく暴力で表現するしか術を知らなかったり、自分の今の気持ちが「甘えたい」という欲求からくるものであることを認識できないことは、子どもの場合にはありがちなことです。
特に、この遊戯療法の対象となるような子どもたちは、「問題視したくなるような言動」をとりがちです。
だからこそ、受け止める大人の方が、子どもの特性をしっかりと理解して、その行動の源にある「本当の気持ち」を汲み取ろうとすることによって、
「問題行動⇔嫌悪、規制、排除」という悪循環から、「表現のもどかしさ⇔それでも、あなたの気持ちに寄り添う」というコミュニケーション、信頼関係の構築へとレベルアップしていくのではないでしょうか。
そして、その積み重ねの中で、子どもは様々なものを獲得し成長していくのだと思います。

今、この瞬間にも、子どもたちは必死の思いで、自らの思いを表出しています。
場合によっては体を傷つけ、命を削ってまで表現している子どもたちの思いを、どれほどの大人が真摯に受け止めようとしているでしょうか。
子どもの心を読み解こうとする努力をしない大人が増えていることと、様々な課題を抱えた子どもたちのことが社会的な課題となっていることが、決して無関係ではないと思うのは、私だけでしょうか?







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