入学式三題(その2) かたはた智子の活動報告
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2008 年 4 月 12 日    
入学式三題(その2)
〜自分の入学式〜
このホームページでも子どもの頃のエピソードなど幾度かご紹介させていただいているように、私はけっこう記憶力はいいほうだと思っているのですが、幼稚園以来、社会人となって入社式に至るまで、11回もの入学(入社)・卒業式を経験してきた中、そのとき自分は泣いたのか笑ったのかはもちろん、どういう人がどういうことを話したのか、何ひとつとして覚えていないことに気がつきました。
大学の卒業式にいたっては、そういう式が存在したこと自体、全く認識がなく、ほんの数日前に不意に思い出したという次第です。

むしろ、ほとんど全てに出席してきた母の方がよく覚えていて、「あのとき、生徒会長の人がこういうことを言っていて、なるほどと思った」などと、よく話していました。

卒入学式には、よく「人生の節目」という言葉が使われますが、入学式も卒業式も、教育課程の区切りでしかありません。
人生は常に前を向いて進んでいくものだから、走り続けている当事者としては、次の世界に飛び込んでいく準備に精一杯で、形式ばった式をきっかけにして、今の自分の立ち位置を意識したり、あらためて過去を振り返ってみる余裕はありません。
けれども、見守る側にとっては、やはり感慨深いものがあるんだということを、親になって初めて知りました。

小学校の卒業式でのこと。
式が終了して退場する際、保護者席に座っていた母と目が合ってしまいました。微笑むのも気恥ずかしいし、そうかといって知らん顔をするのもヘンだし、どうしようかなと思いあぐねて、舌をペロリと出して通り過ぎました。
家に帰ると、「あんな場面でベロを出すなんて!!」と、ものすごく叱られました。

いまだになぜ怒られたのか、よくわからないのです。
人前でみっともないことをして恥ずかしかったのか、
まだまだ赤ちゃんだとガッカリしたのか、
どうなんでしょう?
ちなみに、もしうちの子がベロを出したら、怒る怒らないは別として、「照れ隠しなんだろうな」と思いますが。

大学の入学式のこと。
広島から千葉という遠距離なので、式に出席しなくてもいいと言ったのに、母が「どんな大学か見てみたいから」と、ついてきました。
その割には、式の冒頭だけ見て帰ってしまったのですが、
「本当はもう一晩泊まろうかと思っていたけど、会場に入場する時に誰かと話しながら入ってきたのを見て、もう大丈夫だと思った」と、後から話しているのを聞いて、当時は、20歳近くにもなっているのに、なんでそんなに親から心配されるのかと、違和感が残りました。

通っている高校から、たった一人で、誰一人として知り合いのいない見知らぬ土地の大学に進学することに対して、私も心細かったけれども、母も同じくらいに、いやそれ以上に心配で気がかりだったと思います。
入学式会場前で不安げな顔のまま別れた娘が、数分後には新たな友だちと一緒に笑いながら入場してきた姿を見たときに、きっと親ならではの様々な感慨があったのでしょう。

おそらくあのときが、娘が親離れしたことを実感し、同時に母も「子離れ」した瞬間だったんだと思います。





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